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2025.09.05 岐阜市とLRT構想・・・

  • 執筆者の写真: 道家やすなり
    道家やすなり
  • 9月5日
  • 読了時間: 2分

更新日:20 時間前

「岐阜市とLRT構想 … 拙速の一歩か、熟慮の一歩か」


「急いては事を仕損じる」とは昔からの戒めである。

岐阜市議会9月定例会で計上された補正予算の一部に、県知事が提唱するLRT(次世代型路面電車)の調査費用320万円が含まれている。


視察先は台湾。市長と随行職員ら計5名が、架線不要型のLRT導入地区を訪ねるという。


確かに台湾には、すでに3地区でこの方式のLRTが走り、日本では未導入の先進事例だ。だが「石橋を叩いて渡る」より先に、まずは叩く前から渡ってしまうような拙速さはないだろうか。つい先日まで県のLRT構想に対し「財政的に困難」と慎重姿勢を示していた。ところが今や「二言目には推進」といわんばかりの方向転換である。まさに「朝令暮改」を地で行く印象をぬぐえない。


思い返せば、岐阜市と県の関係はしばしば「水と油」であった。信用保証協会の扱い、保健所設置、金華橋建設…。

本来は県の所管であるべき事柄を市が抱え込み、二重行政と批判された歴史もある。そんな経緯からすれば、LRTに対する当初の懐疑は、むしろ岐阜市らしい自負の表れとも受け止められた。


一方で、羽島市との接続という広域的な視点から見れば、LRT構想は「一石二鳥」の施策ともなり得る。

岐阜市が単に反対するだけでは、県民全体の利益を見失いかねないのも事実だ。だが、まだ議会全体で十分な議論も尽くされぬうちに海外視察を先行させるのは、やはり「時期尚早」と言わざるを得ない。


現に、先般の県による自民党、公明党の与党説明会も「質問すら許されぬ内容だった」との声が聞こえてくる。

議論の透明性が確保されぬまま視察が進めば、市民から「出来レース」と受け止められても致し方ないだろう。


忘れてはならないのは、連節バス県内先進都市の岐阜市には、“動く実験場” があることだ。1台9,400万円、国・市・事業者が分担して導入された連節バスは、現実的なLRT的な役割を果たす可能性もある。これを知恵として生かさずして、海外視察に飛びつくのは「灯台下暗し」と言うべきではないか。


もちろん、県知事が岐阜市と手を携え、広域交通の未来図を描こうとしている点は評価すべきだ。

だが、市としては柔軟に応じつつも、「泰然自若」とした立場を保つことが肝要だろう。熟慮の上での一歩は千金に値するが、軽率な一歩は百害を招く。

岐阜市は今こそ「拙速より慎重」を選ぶべき時にある。


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岐阜市議会議員 道家康生(どうけやすなり)

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