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2025.09.15 「うまい話」

  • 執筆者の写真: 道家やすなり
    道家やすなり
  • 9月15日
  • 読了時間: 2分

今日の日本では、生活の安定を得られずに「ネットワークビジネス」「儲かる話」「稼げる話」に惹かれる人々が後を絶たない。そこには、努力や忍耐を経ずして短期的な成果を求める心情が透けて見える。


しかし、こうした「楽をして成功する」道を歩んだ者が歴史上の偉大な人物の中にいるだろうか。近代経済史を見渡しても、ネットワーク商法を「真剣に」追求したことで大成した者はいない。これは単なる現実。


• 織田信長は

斬新な経済政策(楽市楽座)を打ち出し、既得権益に切り込む勇気を示した。


• スティーブ・ジョブズは

数々の失敗を経てなお「未来は自ら切り拓く」という信念を貫き、世界を変える製品を世に送り出した。


• 渋沢栄一は

「論語と算盤」を説き、誠実さと公益性を土台に近代日本の産業基盤を築いた。これらの人物はいずれも「短期的なもうけ話」ではなく、「社会や時代を動かす理念」に基づいて行動している。


• 『孫子』は

「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、不勝兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む」とある。真の勝者は準備を整え、盤石な基盤の上に勝利を築くのであって、闇雲に戦って運を頼るのではない。


• 『論語』は

「君子は義に喩り、小人は利に喩る」と説かれ、つまり大成する者は「義」を優先し、目先の利に惑わされない。


• 近代経済学者マックス・ウェーバーも

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、勤勉と倹約こそが資本主義を発展させたと論じている。


いずれも「うまい話に飛びつく小利口さ」ではなく、「長期的な信念と実践」が成功を導くと説いているのだ。


いつも困難の中で知恵と勇気を発揮した人材が登場する。しかし、現代は平和であり、表面的な経済安定があるがゆえに「危機感」を失い、「疑似的な成功モデル」に群がる人が増えてきた。これは逆説的に、日本経済の安泰が若者を脆弱にしているとも言える。


ネットワークビジネスにノボっている輩と時間を共にするよりも、勇気を持って困難を乗り越えた君主や偉人の思想に触れる方が、はるかに有益。なぜか、これに気づかない無礼な奴が存在する。

本来の成功は「短期的収益」ではなく「社会的貢献」「時代を超える理念」に根ざしている、と認識すべきだ。


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