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2025.10.05 馬車馬の誓い-高市新総裁の船出に寄せて

  • 執筆者の写真: 道家やすなり
    道家やすなり
  • 10月5日
  • 読了時間: 3分

政治とは、ときに「風を読む者」が勝ち「風を起こす者」が国を動かす。今回の自民党総裁選はまさにその二つの相が交錯した一幕だった。


1回目の投票で党員票を圧倒的に集めた高市氏。決戦投票では、まさかの議員票も小泉氏を上回り、新総裁の座を射止めた。国民の多くは「小泉が勝つ」と読んでいたが、風向きは静かに変わっていたのだ。


決戦直前、報道陣の前で勝利を確信したように微笑んだ小泉氏の表情には、どこか「勝ち馬に乗った」と思う者特有の油断が漂っていた。だが、政治の神様は時に「馬車馬」に微笑む。


高市氏はお礼の挨拶で、あの印象的な言葉を放った-「ワークライフバランスという言葉は捨てます。馬車馬のように働いて、働いて、働いて、国民みんなで頑張りましょう」。

その言葉に、国民は久々に “気骨ある政治家の声” を聞いた気がした。


■麻生流「政治学」

今回の勝敗を分けた陰の立役者として、やはり麻生太郎氏の名を挙げざるを得ない。「党員の声を聞け。決戦投票は党員が選んだ方向にまとまるべきだ」

この一言が、永田町の空気を一変させた。派閥の力学ではなく、民意という「風」に帆を合わせたのである。長年の経験と勘、そして政治という “囲碁” の深い読み。石を一つ置くだけで盤面を変える、それが麻生流の妙味だった。


「麻生詣(もうで)」と揶揄された根回しも、結果的にはその老練さを証明する形となった。これを軽んじた若手議員、平将明氏の発言「一応行ってこようか」「過去ほど力はない」は、まるで刀を抜かずに敵を侮った浅慮のようだった。麻生派が唯一派閥を解かずに残した意味を、彼らはまだ理解していなかった。


■勝ち馬主義の末路

永田町には昔から「寄らば大樹の陰」という諺がある。だが今回、その “大樹” と思われた小泉人気は、葉が散るのも早かった。票読みと世論調査を過信した国賊ともいえる一部議員たちは、まるで砂上の楼閣に群がる蟻の様。国民はその光景を冷ややかに見ていた。政治とは「流れに乗る」ことではなく「流れをつくる」ことだと、私たち有権者は改めて学んだのである。


■新しい時代の序章として

麻生氏の一言、高市氏の馬車馬宣言-。これらは、失われつつあった “政治の覚悟” を呼び覚ました。口先だけの「改革」よりも、汗を流す覚悟のある指導者。民意を計算ではなく心で感じ取る政治。そうした当たり前の事がようやく戻ってきたのかもしれない。「風を読む者は風に流され、風を起こす者は歴史に名を残す」。


今回の総裁選は、まさにそのことを国民に思い出させる一戦であった。高市新総裁の誕生に、心からの祝意を送りたい。


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