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2025.10.03 公用車カーナビ受信料問題に切り込む - 江崎禎英・岐阜県知事の挑戦

  • 執筆者の写真: 道家やすなり
    道家やすなり
  • 10月3日
  • 読了時間: 3分

公用車カーナビ受信料問題に切り込む - 江崎禎英・岐阜県知事の挑戦


「声なき声を代弁するのが政治家の務めだ」

その言葉を地で行くように、江崎禎英・岐阜県知事がNHK受信料制度の矛盾に真っ向から挑んだ。


背景にある “受信料のねじれ”

NHK受信料制度は、戦後の「放送法」を根拠に築かれた。だが時代は大きく変わった。テレビを前提にした仕組みが、今ではカーナビや携帯端末まで拡大し利用実態と乖離している。

公用車に搭載されたカーナビは、運転支援や地図案内が主目的であり、テレビ視聴など想定していない。それでも形式的に「受信機」とされ、受信料を求められるのは、県民感覚からすれば「腑に落ちない」話である。

全国の自治体で同様の未払いが明らかになり、岐阜県も50台の公用端末で未払いを確認した。過去分を含めれば、県内全体で約5000万円にのぼるという。この不透明さは「制度疲労」の証左である。


「県民の税金を守る」という決意

江崎知事は、県議会での一般質問においてこう明言した。

「視聴予定のない機器にまで、貴重な県民の税金を払い続けることは適切ではない」と。

一見、受信料問題は小さな論点に見える。しかし、その本質は「公金の適正な支出」であり、「制度を誰のために、どう運用するか」という公共の原則に直結する。ここに疑問を投げかけ、国やNHKに制度改革を迫る姿勢は、行政の長としてきわめて誠実だ。


「直談判」という行動力

江崎知事は、問題提起にとどまらず、東京・渋谷のNHK本部に直接赴くことを表明した。協議の成果は全国知事会と共有し、全国的な議論へと広げる構えだ。

これは、まさに「事なかれ主義」に陥りがちな地方行政にあって異例とも言える行動力である。「泣く子と地頭には勝てぬ」と言われるが、相手が巨大組織NHKであろうとも、筋の通らぬことには声を上げる。その姿勢は「敢為邁往(かんいまいおう)」困難にひるまず勇敢に突き進む人物像を想起させる。


全国に波紋を広げる可能性

この問題は岐阜県だけの話ではない。多くの自治体、さらに民間事業所や家庭にも波及する。「視聴しない機器への受信料」は、今や国民的不満となりつつある。江崎知事の一石が、受信料制度の本格的見直しを促す起点になるかもしれない。


声を上げる政治家の姿

政治とは「民意をすくいあげ、代弁する」営みである。見て見ぬふりをすれば、県民の不満は積もり、制度の不信へとつながる。江崎知事は、その声を代わりに発し、改革の議論を開く勇気を示した。


小さな問題のように見える受信料問題に、真正面から挑む姿勢は、政治家としての本分を体現している。そこには「県民の税金を守る」という確固たる信念と、「誤りを正すには、まず声を上げよ」という行動哲学がある。


今、岐阜から全国に投げかけられた問いは、「政治家に必要な勇気とは何か」を私たちに改めて考えさせている。


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