2026.03.10 「議会改革」
- 3月10日
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市長からの「議会改革」提案という一石
美濃加茂市で興味深い議論が起きている。藤井裕人市長が、市議会の定数を現在の16人から10人へ削減するという見直し案を打ち出したのである。議員定数の議論は、これまで多くの場合「議会側から議論されるもの」とされてきた。議会の内部で検討し、議会自身が提案する——それが一種の慣例のようになっている。しかし今回の提案は市長側から出された。これは極めて珍しい。
藤井市長の狙いは明確だ。
議会の「プロフェッショナル化」である。現在、美濃加茂市議の報酬は月額36万2000円。さらに政務活動費は月1万円にとどまっている。
市長は、議員の数を減らす代わりに、
• 議員報酬の引き上げ
• 政務活動費を月10万円まで増額
とし、議員一人ひとりの活動量と専門性を高めたいという考えを示している。つまり「数を減らし、質を高める」という発想だ。定数を10人にすれば、報酬や政務活動費を引き上げても財政的には賄えるという計算も示されている。もっとも、この提案に対する議会の反応は厳しい。
CBCが16人の議員に賛否を尋ねたところ、
• 賛成 4人
• 反対 9人
• 未回答 3人
と、反対が過半数を占めた。
背景にはもう一つの現実がある。同規模自治体の議員定数は平均20人前後。美濃加茂市の16人でもすでに少ない部類に入る。その意味で「多様な市民の声が届きにくくなる」という懸念も理解できる。しかしここで注目したいのは別の点だ。地方自治の制度上、地域経営の重要な権限を持つのは市長ではなく議会である。それにもかかわらず、市長が自ら議会改革に踏み込んだ。これは単なる定数削減論ではない。むしろ「議会は本当に今のままで良いのか」という問いを、市民の前に投げかけた行動だと感じる。議員定数は議会が決めるもの。その原則は変わらない。
だが、市長側から議論が提起されることで、市民の関心を巻き込みながら議会改革の議論が動き出すとすれば、それは決して悪いことではない。むしろ、市民的感情をうまく取り込みながら議会に問いを投げかけた点で、この提案には政治的なセンスを感じる。藤井市長は、若い市長として知られている。しかし今回の行動を見ると、単に若いだけではない。議会に対して一石を投じる——ある意味では挑戦的とも言えるこの提案は、地方政治の停滞を揺さぶるものだ。
私はこの行動を、率直に高く評価したい。










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